pixiv社が提供するサービスについて

 当サークルではpixiv社が提供するサービス(piviv、BOOTH)を利用しています。このことに関連して、同社が提供するサービスとの付き合い方、考え方について整理するために書いた文章です。



 2022年5月のpixiv社に関する報道を受け、サービスを利用する一ユーザーとして考えたことをまとめておきたいと思い、以前このような文章を作成しておりました。
 理由や率直な思いについてはそちらに詳しく記載していますが、この件を受けて当方は、サービスの利用自体は継続しつつ、プレミアム会員を退会して一般会員での利用に会員情報を変更するという対応を取っていました。

 8月29日、同社から「ハラスメント撲滅宣言」「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を策定したとの発表がありました。
 ほったらかしでなあなあにされるのではなく、続報・対応策が発表されたという点では前向きに考えられなくもないと思います。しかしその中身を見ると、一企業が当たり前に守るべきことの再確認というべき内容でしかなく、起きてしまったことへの反省と企業風土の自浄についてもう少し踏み込んだ声明・対応があってほしかったというのが読後の正直な感想でもありました。また、この内容がコーポレートサイトとコーポレート公式Twitterアカウントでしか掲載されず(pixivサービスの公式Twittterアカウントで引用RTはしていましたが)、プラットフォームとしてのpixivを利用している人には届きにくい仕様になっていることも残念でした。プライバシーポリシーの改定のお知らせはOKを押すまで表示され続けるようになっていましたが、企業として再出発を目指すという宣言も、同じように全ユーザーに届ける勢いで周知するべきだと思います。
 裁判が終結したのちに追加で公表される事実も出てくるとは思いますが、この発表をもって、このまま同社のサービス(pixiv、BOOTH)を利用し続けるかどうか考えました。

 そのうえで、永続的に使い続けるとは明言できませんが、同社には上記のような意見を送って届けたうえで、サークルとしてしばらくは利用を継続させていただこうかと考えております。

 理由のまず一つは、同好の士の方が閲覧するプラットフォームとして最大の場所であることに変わりないという現状です。私自身pixivを通してたくさんの作品と出会ったり、それをきっかけにさらに別のコンテンツに興味を持ったりと、かけがえのない経験をしてきました。私の作品が知らないどなたかに影響を与えているのかどうかはわかりませんが、描き手として、もし誰かに何かを新しく好きになるきっかけが提供できたらと思わずにはいられない気持ちがあります。
 また私自身が一読み手として、新しい作品との出会い探しもあれば、繰り返し繰り返し読みたい作品を開くこともあり、今もほぼ毎日アクセスをしているというような立場です。描き手として投稿する場所を求めて他のプラットフォームに移行するということはできなくもないかなと思っている一方、読み手としては、今pixivに公開されている宝物のような(過言ではなく本当にそう思っています)作品から離れがたい・作り手の皆さんを見ていたいと思っているのが正直なところです。
 素敵な作品やその作り手の皆さまにはなんの非もない状況で、後ろ髪をひかれながら閲覧をやめることで何かが変わるだろうか? では閲覧を続けながら投稿のみを止めるとして、自分のその行動に意味を持たせられるだろうか? どの選択をしても100%すっきりするわけではないのが苦しいですが、それであれば自分の場合なら――今の自分の考えを素直に発信し、送れる意見は送り、一ユーザーとして(ほんのわずかですが)声をあげつつ利用していくことが、状況改善のために今自分がやれる行動なのではないかという考えに至りました。自分が大好きな作品がたくさん載っている場所だからこそ、その作品・その作り手の皆さまのために、健全な形で運営されてほしいと強く思います。

 ただ私が今書いたような要素よりも、利用を続けることのほうがマイナスだと考えた方も多くいらっしゃることは理解しているつもりでおりますし、本件を受けて利用の停止・移行を決断した方々の行動も支持・応援したいと思っています。私の判断もあくまで現時点のものであり、今後の同社の発表、また私自身の心持ちの変化によっては、やっぱり利用をやめようと決心する日が来るかもしれません。その時はまたお知らせします。
 そしてそういった日が来た場合、また来なかった場合でも、描き手として発信するにあたってのpixivへの依存度は下げておこうかなと考えて、作品倉庫も兼ねたサークル情報サイトをこうして作成した形になります。自家通頒をするサークルとしてもBOOTHは非常に使いやすいのですが、FOLIOなど他社が提供するサービスについても今後様子を見ていきつつ、仕様が合いそうであれば利用も検討したいと思っています。

 未来のことに関しては不確定な言い方が多く、今も迷う気持ちを持ちながら作成した文章で恐縮ですが、現時点での一サークル・一ユーザーの考えとして書き残しておきます。ここまで読んでくださったうえで、今後ともお付き合いしていただけるご縁がありましたら、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。